理系の見る世界

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平均値と誤差

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(写真: GAHAG | 著作権フリー写真・イラスト素材集 様)

 

お久しぶりです

皆さまいかがお過ごしでしょうか

 

さて、前回告知させて頂きましたように、今回のテーマは平均値と誤差に関してです

 

平均...

平均身長や平均ウェスト、平均年齢など

 

平均という言葉は日頃のニュースに溢れかえっていますよね

ですが...

この平均値に違和感を感じていらっしゃる方も結構多いのではないでしょうか

 

 

その違和感...大当たりです !!

本日はそんな平均値に関して纏めていきましょう

 

そもそも、平均とは

へいきん【平均】

  1.  大小・多少などの差が少なく、そろっていること。また、そうすること。ならすこと。「年間を通じて売り上げが平均している」

  1.  いくつかの数や量の中間的な値を求めること。また、その数値。それらの和をその個数で割る相加平均をいうことが多いが、ほかに相乗平均・調和平均などがある。「平均を上回る」「一日平均乗降客数」「年平均気温」

  1.  ほどよくつりあうこと。均衡。平衡。バランス。「平均のとれたからだ」「平均を保つ」

  1.  平定すること。統一すること。

                                                                                                          (デジタル大辞泉)

 

平均を辞書で調べると、このように複数の解釈が表示されました

 

さて、皆さんに質問です !!

この解釈の中で、ニュースで使用される使い方には明らかに当てはまらない解釈が一つだけあります...何番でしょうか ?

 

 

 

 

正解は1番です

大小・多少などの差が少なく、そろっていること。また、そうすること。ならすこと。

 

...身長や体重って自然に揃えることが出来ますか ?

 

まず無理ですよね

当然人によって数値は異なります

 

では、個体差のある数値を使って強引に平均を出したら何が起こるでしょうか

 

当然、平均から大きく外れる人が出ますよね

つまり...平均値を基準にすると各数値の配置 (プロット) がばらつくのです

※このバラつきのことを"標準偏差"と呼びます

  

この、標準偏差の数値範囲を我々は誤差範囲と呼び

このバラつきの大きさを伝えるため

平均値と一緒に必ず誤差範囲も載せます

 

平均とは

誤差範囲を一緒に表示して

始めて正確な情報を伝えることが出来る表現なのです

 

 

実際に誤差範囲の大切さが分かる例を挙げてみます

 

あなたは塾の先生です

AさんとBさんの模試の結果を聞いたところ、共に平均点が60点でした

あなたはAさんとBさんに成績UPの助言を求められています

さて...あなたならどのような助言を行いますか ?

・もっと勉強時間を増やしましょう

・苦手な単元を復習しよう

など、当り障りのない助言しか出来ないですよね

 

では...次の場合はどうでしょうか

あなたは塾の先生です

AさんとBさんの模試の結果を聞いたところ

Aさんは平均点が60点、誤差範囲が-2点から+2点でした

Bさんは平均点が60点、誤差範囲が-20点から+20点でした

あなたはAさんとBさんに成績UPの助言を求められています

さて...あなたならどのような助言を行いますか ?

 

ここで、平均と誤差の意味をおさらいしましょう

 

・平均とは文字通り、全ての点数をならした数値です

・誤差範囲は平均からどれだけ各プロットがバラついたのかを示したものです

 

つ ま り

Aさんは誤差範囲が狭いことから、どの科目も大体60点であったことが分かります

Bさんは誤差範囲が広いことから、得意・不得意科目の差が激しいことが分かります

 

平均に誤差をつけることによって

 

同じ平均値でも全く異なる助言が可能となるのです

 

 

偶然なのか...はたまた意図的なのか、今のニュースは「平均」が溢れかえっています

平均を調べる際は

誤差にも是非目を向けてみて下さい

 

きっと、これまでとは違う世界に出会えるはずです